カゼを引いて二次的に胃腸に機能障害が起きて下痢や腹痛、嘔吐などの症状
が生じた場合は感冒性胃腸症(別名、感冒性消化不良症)といい、一般的
には整腸剤の内服と食事療法によって比較的短期間に治ることが多いものです。
ウイルスや細菌のような病原体が胃腸に感染して同様の症状が生じる場合、
それは感染性胃腸炎であり、胃腸の粘膜が病原体によって直接的な障害
を受けている病気です。 感染性胃腸炎は、感冒性胃腸症に比べて症状
が強く、脱水が生じやすく、重症化する例や治療により長い時間が必要になる
例も少なくありません。
感冒性胃腸症でも感染性胃腸炎でも、発熱、下痢、嘔吐、腹痛といった
症状は共通に認められることが一般的ですから、自己判断は禁物です。
感冒性胃腸症なのか、それとも感染性胃腸症なのかを判断することが医師
の最初の重要な仕事になります。それは、その後の治療方針を決定するの
に重要なポイントになるからです。
特に感染性胃腸炎では、病原体を積極的に胃腸から排泄する必要があり、
できるだけ下痢止めを使わないことが原則です。
感染性胃腸炎のうち、冬場に流行することが多いウイルス性胃腸炎が
あります。
その一つが、乳児に多い乳児冬季下痢症(別名、乳児冬季嘔吐下痢症)
です。これはロタウイルスが原因になる感染性胃腸炎です。このウイルス
にはA、B、C、Dの4つのタイプがありますが、近年は世界的にA型の軽症
のものが流行する傾向があります。
乳児冬季下痢症の特徴は、突然の嘔吐が認められること、普段に比べて
白っぽい水のような便が大量に出ることです。そのため、昔は乳児白色
下痢症、あるいは、乳児冬季白色コレラなどと呼ばれた時代もあります。
その時代には、劇症型のウイルスが原因になることが多く、小児に対す
る点滴による脱水の治療も未発達でしたので、小児科医の間でも恐ろし
い病気であると考えられていました。
今日では、軽症型が多く、治療法も確立していることから、小児科医によ
る診断と治療により数日で改善することが多く、一般的な子どもの病気で
あると考えられるようになっています。
主に3~4歳以下の幼児や赤ちゃんの病気ですが、赤ちゃんから周囲の
大人や年長児に感染することもあります。
次のページではノロウィルスや感染性胃腸炎の脱水に
対する治療(経口補液)についてご説明します。
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